消化器官の健康がすべての始まり

Pocket

内臓トレーニングでは、常に

「原則として、人間はサプリメントや薬を飲まずとも、栄養バランスの良い食事を取っていれば健康でいられる」

と実践者に力説しています。

その健康は、食べたものがしっかり消化・吸収されて栄養素となって血液に取り込まれ、60兆個の細胞の一つひとつに、漏れなく届けられることが条件となっています。

今回は、食べたものが消化・吸収されて、細胞に届けられるまでの過程についてお話します。

 

消化と吸収とは

私たちは、生命を維持し、日々の諸活動を行うために毎日食べ物を摂取しています。
しかし、食べたものは、そのまま栄養素として血液中に取り込むには、分子が大きすぎて活用することはできません。
そこで、食物に含まれる栄養素を取り出すために、胃や腸で分解します。
この過程を消化と呼びます。

消化された栄養素は、血液やリンパ液の中に取り込まれます。
この作業を吸収といいます。

小腸で吸収された栄養素は、肝臓に送られて初めて、私たちの生命活動を支える栄養素となるのです。

この一連の仕事をする器官の総称を消化管といい、口から肛門まで約10メートルの長さがあります。

サプリメントや薬を飲まずに健康を維持するには、消化管の各器官が健康で消化・吸収が完璧であることが前提条件となります。

 

消化・吸収される5大栄養素とは

生命活動を維持するために必要な栄養素は約40種類ほどあります。中でも、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、リンやカリウムなどのミネラルを五大栄養素といいます。

炭水化物

穀類や砂糖類を消化して、最終的にはブドウ糖として体内に吸収します。

たんぱく質

肉や魚はもちろん米やパンなどほとんどの食品に含まれており、最終的には
アミノ酸として血液中に吸収されます。

脂質

いわゆる油類で、血中には脂肪酸とグリセリンとして吸収されます。

ビタミンとミネラル

生命活動を維持するために必要であり、老化や生活習慣病の原因になる活性酸素を中和する抗酸化剤として役立っています。

 

食物の辿る道順と各消化器官の役割

摂取した食物は、口、食道、胃、小腸(十二指腸、空腸、回腸)、大腸(盲腸、結腸、直腸)の順に通って肛門から排出されます。
各器官の特徴と役割を説明してみましょう。

(1)口

口は、食物を歯によって噛み砕き、唾液と混ぜ合わせる働きをします。
口で咀  嚼された食物は食道に入ります。

(2)食道

食道の長さは成人では25cmほどあり、胃に繋がっています。寝ていても食物が胃に届くのは食道の筋肉が蠕動運動をして食物を胃に押し下げるからです。

食道と胃の接点に噴門という筋肉があります。
この筋肉は胃の内容物が食道の方に逆流しないように閉まっているのですが、腹いっぱい食べたときや脂肪分やたんぱく質を取りすぎると噴門の筋肉が緩み胃液が逆流することがあります。
この現象を逆流性食道炎といいます。

栄養の偏った食事を控え、腹8分目の食事を心がけましょう。
また、この現象は肥満や姿勢が悪い人、高齢者が罹りやすくなります。

(3)胃

胃は1.5リットル程の大きさで、食道から届いた食物を強力な胃液で殺菌し、攪拌してドロドロの溶液にします。なお、胃液の分泌量は自律神経が調節しています。

深い悲しみやストレスフルな生活を送っていると胃液の分泌に異常が発生し、消化不良を起こします。
ストレスの溜まる生活は、胃の働きを弱め常に胃もたれの状態を作り出します。

胃と十二指腸の接点には幽門があります。
ここで酸性になっている食物を中和して十二指腸に送り出します。

(4)小腸

小腸は、十二指腸、空腸、回腸の3つからできており、成人で7~8mの長さがあります。
十二指腸と空腸では、腸液の中の消化酵素や、膵液、胆汁などで、たんぱく質をアミノ酸に、糖質をブドウ糖に、脂肪を脂肪酸に分解します。
分解された栄養素は回腸に送られて血液の中に吸収されます。

(5)肝臓

分解され栄養素をたっぷり含んだ血液は、門脈を通って肝臓に送られます。
肝臓は、血液から吸収したブドウ糖をグリコーゲンに、タンパク質をアルブミンに、糖質をブドウ糖に合成したり、必要に応じて貯蔵したり放出しています。

(6)腎臓

胃、小腸、肝臓で生成された栄養素を、必要なものは再吸収し、不必要となったものを排出します。

(7)大腸

栄養素を吸収し終わった食物残滓は大腸に送られます。

大腸は、盲腸、結腸、直腸からなり、成人で長さは約1.5mです。
ある種の動物にとっては、盲腸は消化器官のひとつでとして働きますが、人間の盲腸は特に役目はありません。

結腸は、小腸から送られてきた消化物の残滓の繊維質を更に分解して消化・吸収し、大便を作ります。
直腸は大便の排泄の役割を果たします。

大腸は一定の間隔で太くなったり細くなったりしています。
これは、細くなったところで大便から水分を吸収しているのです。

 

消化器官の健康がすべてのはじまりまとめ

口から取り入れた食物は幾多の過程を経て、肝臓に行き着いて、初めて私たちの健康を維持できる栄養素となるのです。

消化管が元気でなければ私たちの健康は維持できません。

胃や腸などの消化管は、ちょっとした生活の乱れやストレスにより簡単に変調を来たします。
日ごろから、暴飲暴食や睡眠不足などを避けて、消化管の保護に努めましょう。

消化管が円滑に働くためには血液が円滑に流れることが大切です。
消化管が産生した栄養分は、血液を通じて体内に吸収され、血液によって全身に配送されます。

臓器がその機能を十分発揮するには、全身の血液が円滑に流れていることが大前提となります。