X線映像に映った腎臓の姿

Pocket

はじめに
内臓トレーニング協会での腎臓病セミナーでは、コンピュータ断層撮影映像(CT検査)に映された腎臓の姿が話題になります。この映像はX線を利用した白黒映像で、造影剤の入った血管を白く映し出すもので、それ以外のものは黒く画像処理する仕組みになっています。

1つしかない腎臓を見ると病気の怖さが迫ってくる。
講師から示された映像は70過ぎの女性のものです。写真には本来2つあるべき腎臓のうち、左側の腎臓の姿はなく、黒く塗りつぶされて、その中に白い血管がまばらに浮かんでいました。それに対して右側には、網の目のように張り巡らされた血管が白く映し出され、元気な腎臓の姿がくっきり映っていました。

 

腎機能と腎動脈の太さとの相関

X線映像に映った腎臓の姿2

更に注意深く眺めると、左の腎臓の腎動脈は消えるように細く、それに引き換え、腎臓の姿が白くくっきり映っている元気な右の腎臓の腎動脈は太くたくましい。腎動脈の太さに、左右の腎臓の壊れ具合が如実に反映されており、血流と腎臓の元気度との関係がよく分かりました。

左半分の腎臓が衰え、右半分しか機能していないこの腎臓は、クレアチニン値0.71、eGFRは60、腎不全の診断を受ける直前の姿です。eGFRが60と言うことは、この腎臓の機能が60%残っているのですが、写真を見る限り2つの腎臓のうち一つは完全につぶれていて、残りの1つも血管の一部が無くなっていました。

この写真は、ある女性(仮にAさんとしましょう)が高血圧に悩み、どこに血管の狭窄があるかを調べようとして、全身の血管を撮影したものの一部だそうです。この女性は、主治医に「まだ大丈夫」と言われたのですが、半分しかない自分の腎臓の姿に驚いて我がクリニックにやってきたのです。
この写真を見て2つのことに注目してみました。

糖尿病性腎症は循環器系の疾患から発症する

AさんがX線写真を撮ったのは、血圧が高く血管狭窄の様子を調べるためでした。Aさんのように腎臓病を患っている人の中には、ステントを装着していたり、ペースメーカーを埋め込んでいる人がたくさんおります。このような方々は、病気の重症度はまちまちですが、高血圧を始めとして心筋梗塞や脳梗塞、狭心症や血栓症、血管硬化症や動脈瘤など死に直結する怖い病気を持っています。特に、この傾向は糖尿病性腎症の人に多くなっています。
一般的に、腎臓病と言えば腎臓そのものが壊れて発症すると考えがちですが、内臓トレーニング協会が、内臓トレーニング実践者475人を調べたところ、循環器系の臓器に問題を抱えている人が約90%に達しました。この結果から、循環器系の臓器の疾患により腎臓病が発症している人が多いことが解りました。

造影剤は腎臓病を悪化させる

血栓や狭窄症などの血管の治療に造影剤は欠かせません。しかし、循環器系に課題を抱えている腎臓病患者さんですが、Aさん以外に腎臓のX線写真を持参された方は一人もいません。その理由は、

お医者さんたちが、腎臓の血管に造影剤を入れると一気にクレアチニンの数値が跳ね上がることを心配するからです。お医者さんたちが造影剤を使用するのは、クレアチニン値が1.3以下の患者さんに対してだそうです。

 

命に関わる手術は腎臓が壊れても行う

X線映像に映った腎臓の姿3

循環器系の病気は死に直結する病気が多く、しかも、治療に当たっては必ず造影剤を使用することになります。造影剤で腎臓病を進行させないためには、クレアチニンの数値が1.4になる前に循環器系の病気の治療を済ませておきたいものです。

命に関わる治療の場合は、1.3の数値にこだわりません。腎臓が壊れ透析になることを前提に使用するそうです。透析という延命装置があるからです。

おわりに

壊れた腎臓の映像をみることは滅多にありません。理由は、写真撮影に使用する造影剤が腎臓機能を著しく傷つけるので、腎臓病患者には造影剤を使わないようにしているからです。

しかし、死に直結するような重病の手術には腎臓を壊してでも手術を実行します。聞いた話ですと、外科の先生たちは腎臓が壊れることをあまり気にしないそうです。なぜなら、腎臓が壊れても透析と言う強力な協力者がいるからだそうです。

ABOUTこの記事をかいた人

当協会は、健康法「内臓トレーニング」の普及を目的に設立されました。この健康法は血液やリンパの流れを促し、神経の情報伝達機能の活性化を図ることにより、自然治癒力を高めるものです。