腎臓病患者の運動量は自分で決める  

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あなたは、お医者さんから激しい運動をしてはいけないと注意される・・・。

しかし、どの程度までの運動なら許されるのか分からないという人が多い。
過去には、運動が病気を悪化させると言われて、一日中、全く体を動かさず安静にしていた患者さんもいたそうです。

しかし、最近は、透析に入った患者さんも日々の生活を円滑に行うため、透析中に適切な運動をするように勧められるようになりました。

腎臓病患者さんは、どの程度の運動をすればよいのでしょうか。

 

腎臓病患者の生活指導ガイドラインの変化

日本腎臓学会は、1998年の「腎疾患の生活指導/食事療法のガイドライン」で、下の表を発表していました。

◆表2 (透析前の腎臓病患者さんの)成人の生活指導区分

指導区分 通勤/通学 勤務内容 家事 学校生活 家庭/余暇活動
A 安静
(入院/自宅)
不可 勤務不可(要休養) 家事不可 不可 不可
B 高度制限 30分程度
(短時間)
(できれば車)
軽作業、勤務時間制限、
残業、出張、
夜勤不可(勤務内容による)
軽い家事
(3時間程度)
買い物(30分程度)
教室の学習授業のみ
体育は制限
部活動は制限
ごく軽い運動は可
散歩
ラジオ体操程度
C 中程度制限 1時間程度 一般事務、一般手作業や
機械操作では
深夜、時間外勤務、
出張は避ける
専業主婦
育児も可
通常の学生生活
軽い体育は可
文化的な部活動は可
早足散歩
自転車
D 軽度制限 2時間程度 肉体労働は制限
それ以外は普通勤務、
残業、出張可
通常の家事
軽いパート勤務
通常の学生生活
一般の体育は可
体育系部活動は制限
軽いジョギング
卓球、テニス
E 普通生活 制限なし 普通勤務
制限なし
通常の家事
パート勤務
通常の学生生活
制限なし
水泳、登山、
スキー、
エアロビクス

(腎疾患の生活指導/食事療法のガイドライン 日本腎臓学会編1998年)

健康な人でも過激な運動をすると急性腎不全になることがあることから、従来、腎臓病患者さんは、過激な運動を控えるよう指導されてきました。
しかし、極端に運動を控えてしまうと、筋力が衰えすぎて日々の生活に支障が出るので、上記の表を参考にして生活することが求められました。

しかし、2014年のガイドラインでは、IGA腎症の治療の項目には「・・・運動制限の実施にあたっては,患者個々の病態などからその適応を総合的に判断し・・・,」とあり、一律に運動を制限することは避けた表現に変わりました。

 

運動の負荷を総合的に判断する目安は・・・

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判断材料として、運動後に、糸球体濾過量(GFR)が急激に下がるか、尿蛋白が大量に出てしまうか、酸素摂取量の増減は?など、様々な血液検査の指標の変化を観察して、判断する必要があると提案しています。

つまり、運動した直後に、血液検査をして急激に悪化した項目があるかないかで判断するということです。

 

適切な運動量をクレアチニンの数値で見つけよう

患者さんにしてみれば血液検査は、病気の初期で3ヶ月間隔。
その後、病気が進行するに伴って1ヶ月おきになり、透析間近かでも2週間に1回という人がほとんどでしょう。

ですから、運動直後に毎回血液検査をすることはありません。
となると、クレアチニンの数値を頼りにするのが一番です。

 

クレアチニンの数値が上がらない運動量がベスト

患者さんにとって激しい運動か軽い運動かは、性別、年齢、体力などよって異なります。
さらに病気の進行具合によっても違ってきます。ですから自分が好きな運動を、体に変調をきたさない程度に行って、クレアチニンの数値の変化を見てみましょう。

もし、急激に高くなっていれば体の負担になっているので運動量を軽くしたり、別の軽い運動に変えてみましょう。もし、数値の変化が見られなければ、適切な運動をしているか、もう少し運動量を増やしても良いのかもしれません。

どんな運動をしても、結果的にクレアチニンの数値が上がらなければ、その運動がベストといえるでしょう。

 

あとがき

病気を患っていても、生活の楽しさを求める人はたくさんいます。
体力が弱ってくると、生活を円滑に過ごすために体力の維持を図らなければなりません。

腎臓病の皆さんは、皆どんな運動をどれくらいやったらよいか悩んでいます。

血液検査表の数値を見ながら自分で決めましょう。
最初に書いたとおり、近年は腎臓病患者にどの程度の運動をさせるかお医者さんたちが研究を始めているのです。

 

 

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当協会は、健康法「内臓トレーニング」の普及を目的に設立されました。この健康法は血液やリンパの流れを促し、神経の情報伝達機能の活性化を図ることにより、自然治癒力を高めるものです。