透析が始まってしまうのはいつ?

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日本腎臓学会は、「エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013」を発行しています。

このガイドラインは、毎年改定はしていますが、2013年版は現在のガイドラインの基本となっているもので、全国の医師たちは原則としてこの手引きをもとに治療を行っています。
腎臓研究の専門医がそれ以外の医師たちに、このガイドラインをもとに腎臓病の治療方法を伝えているのです。
いわゆる、腎臓病の研究者が、一般のクリニックの先生たちに示した教科書といえるでしょう。

クリニックの先生方がこのガイドラインに沿って治療することにより、全国に散らばる腎臓病患者が、等しく最新で最高の治療を受けられるようになりました。

 

厳密にガイドラインが守られているとはいえない

ガイドラインどおりの治療は、2つの理由から厳密に実施されているとは言い切れません。

1つ目は、医師の治療経験の違いやガイドラインを読み解く姿勢の違いなど、医師の生き方に係わる理由。

2つ目は、患者の生活の違いや病気に向き合う姿勢、病気が進んでも自覚症状が出にくいことから、腎臓病に対する患者自身の意識の違いなどが挙げられます。

ガイドラインはあくまでも治療の目安であって、治療は医師ごとに、患者ごとに異なります。
そこで、内臓トレーニング実践者の報告から2つの話題を拾ってみました。

 

慢性腎臓病と診断したときの医師の対応はまちまち

慢性腎臓病の診断は、男性の場合、クレアチニンの数値が1.00を上回った時、eGFRなら60を切ったり、3ヶ月以上継続して尿に蛋白が出ることが目安になっています。

診察後に、腎臓は再生しない臓器であるが、まだ60%も残っているから大事に使うようにと、親切に詳しく病気の説明をする医師がいる反面、ぶっきら棒に腎臓病は治らず最後は透析になると宣言する先生や、「腎臓病ってどんな病気ですか?」と聞くと、ネットで調べなさいという医師もいるそうです。

 

透析に入る時期がガイドラインよりも早まってきている

①透析導入時期はクレアチニンの数値が8.00mg/dl

厚労省の血液透析導入基準(1991年)では、透析導入の時期を、

  1. 症状・所見
  2. 腎機能
  3. 日常生活の障害の程度

という3つの観点から総合して判断することになっています。

クレアチニンの数値が5.00mg/dlであっても、胸に水が溜まったり、心不全になったりすれば透析に入る場合があります。
逆に、クレアチニンの数値が10.00mg/dlを超えていても、尿毒症の症状が無ければ透析を遅らせることもあり、導入時期は様々です。

しかし、多くの医師は透析導入時期を、クレアチニンの数値が8.00mg/dlを超えたところを目安にしているようです。

②透析導入が早まる理由

内臓トレーニング実践者の中には、クレアチニンの数値が2.00mg/dlを越えたところで教育入院、3.50mg/dlを超えた時シャント手術を受け、6.00 mg/dlになったところで透析に入るよう指示された人がいます。

この例は特例かもしれませんが、実践者のほとんどは腎機能に限ると8.00 mg/dlを待たずに透析導入を勧められています。
主治医が早期導入を勧める理由は、

  1.  透析に入るのは間違いない。それならいろんな制限を受けて尿毒症で苦しむより、多少早くても苦しみから解放させたほうがよいだろう。
  2.  尿毒症で体力を使い果たしてから透析に入るより、体力に余力があるうちに透析に入れば透析が楽になるから・・・というものです。

③少しでも長く健常人としての生活を送りたい

内臓トレーニング実践者の多くは、主治医から早期導入を呼びかけられても、内臓トレーニングに励んで尿毒症を改善し、透析に入るのを1日でも遅くしたいと考えています。
少しでも長く健常人としての生活を保ちたいからです。

④医師は症状と血液検査の結果で治療する

たとえガイドラインによる腎臓病治療の基本線があっても、医師には医師側の理由により、患者には患者側の理由があって、全国一律の王道を行く腎臓病治療法というものはありません。

主治医の先生方は、ガイドラインに沿う努力をしながら、最後は患者さんの症状や血液検査の数値をみながら治療を行います。

しかし、患者が腎臓病を発症させた生活はわかりませんので、生活についての指示はほとんどありません。

 

透析が始まってしまうのはいつ?まとめ

患者は、自分が病気になった原因が自身の生活の中にあることを自覚しなければなりません。

お医者さんが患者さんと接するのはほんの一瞬です。
患者さんの詳しい生活の様子は分かりません。

いくら医療が発達しても、主治医の治療はあくまでも参考意見でありアドバイスと心得て、患者さん自身が、自らの生活の中で病気をコントロールしていかなければなりません。
頑張ってください。