吸着剤の効果を高めるには

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腎臓病の患者さんの殆どの人は、尿毒症を防ぐために吸着剤を服用しています。
殆どの薬が食事の前後に服用するのに対して、吸着剤は食間に服用するよう指導されます。
もっと具体的にいうと、食事して2時間後に飲むことを勧められます。

また、吸着剤は一度に大量に服用しなければならず、患者さんにとって抵抗感があります。
しかも、服用が大変なわりには、効かないという声を聞きます。

 

尿毒症とは

腎臓機能が低下し、透析が迫ってくるころになると、血液中の老廃物を尿として排出できなくなり、血液中に溜めることになります。

この量が増えるにしたがって体調に変化が出てきます。
例えば、食欲が低下したり、だるさや疲労が取れにくくなったり、むくみやかゆみ、更に吐き気や貧血などを発症するようになります。

これらの症状をまとめて尿毒症といいます。

 

尿毒症の原因となる毒素

尿毒症とは、血液中に溜まったタンパク質の老廃物が原因で発症します。

その例をあげると、3大栄養素といわれる、たんぱく質は分解されるとアンモニアになり、肝臓で加工されて尿酸となり、最後は腎臓から尿として排出されます。
ところが、腎機能が低下して尿素窒素として血中に残ってしまうと、だるさや疲労が取れにくくなったり、むくみやかゆみ、更に吐き気や貧血などを発症します。

また、炭水化物はブドウ糖として必要量を使用し、余った分を肝臓に貯蔵し、必要に応じて消費していきます。
脂分も中性脂肪として肝臓に貯蔵され必要に応じて消費していきます。
ところが、食べすぎ飲みすぎで、肝臓にブドウ糖や中性脂肪が蓄えられすぎると、血糖値があがって糖尿病や肥満になってしまいます。

血液中に様々な毒素が溜まってしまっても、現在の医療では、その毒素を透析以外に取り除くことができません。
そこで苦肉の策として開発されたのが吸着剤です。

 

吸着剤とは

簡単に言えば炭であり、吸着しやすいように加工した活性炭のことです。

私たちの生活の中では、空気中の湿気やにおいを吸着するために部屋の隅に置いて活用しています。
この活性炭を薬剤にしたのが吸着剤であり、体内の化学物質を吸着するために開発されました。

しかし、腎臓病を治す薬ではありません

この薬の素材は、炭であり血液中に入って尿素窒素やアルブミンを吸着することはできませんし、血糖やコレステロールを吸着することもできません。
また、服用すると腸にとどまり腸内のタンパク質を吸着します。

この薬を効果的に使用するには幾つかのコツがあります。

 

3つの効果的な吸着剤の服用方法

①ほかの薬と一緒に飲まない

患者さんは、症状改善のために様々な薬を服用していると思います。
一緒に飲むとほかの薬もすべて吸着して体外に排出してしまいます。

本来なら血液中に取り込まれるはずの薬が必要なところに届かなくなります。
処方箋に他の薬と一緒に飲まず2時間の間隔をあけるように注意書きが書かれているのは、そのためです。

②腸内で働くには食物との出会いが大切

食事をした料理は、口や胃で消化され、小腸で完全に消化され血液中に吸収されていきます。
吸着剤を服用するタイミングは、完全に消化された栄養素が血液中に取り込まれる直前がベストということになります。

③消化・吸収にかかる時間

  • 食道の通過貨時間    1分
  • 胃の消化時間      4時間
  • 小腸の消化・吸収時間  8時間
  • 大腸の通過時間    10時間

口から入った食べ物は、1日~3日かけて便として排出されます。
時間にずれがあるのは、食べた品物により消化・吸収の速度が違うからです。

口から入った食物が小腸に届くのが4時間、それから4時間かけて消化・吸収することになりますから、4~8時間前に食べた食物の栄養素を吸着していることになります。

服用した吸着剤の効果は飲んだ時間より4~8時間前に食べた食物の栄養を吸着させていることになります。

 

吸着剤は尿毒症に効果は無い

ご存知のように、尿毒症つまりクレアチニンの上昇は、血液中に尿素窒素が溜まることによって発症します。

ところが、吸着剤は、炭ですから血液中に吸収されることはありません。
よって、吸着剤は血液中の毒素を吸着することはできません。

吸着剤の働きとは、胃腸に溜まったタンパク質を、血液中に吸収される直前に吸着して体外に排出することを目的としています。
私たちが食べ過ぎたタンパク質を多少なりとも減らして尿素窒素の産生を抑制しようとするものです。

 

吸着剤の効果を高めるにはまとめ

吸着剤は、細胞がタンパク質を消費して血液中に排出した尿素窒素を吸着することはできません。
あくまでも、体がタンパク質を血液中に取り込もうとする直前に、腸で吸着してしまおうというものです。

病気の進行を止めることはできません。

服用に当たっての注意点としては、

  1. ほかの薬と一緒に服用しないこと
  2. 腸壁に炭が張り付くため便秘になりがちなので、そのための対策を採ることが大切

上記の2点に気をつけてください。